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登場人物は全員闇系!?江戸時代には早すぎたBL「男色大鑑」について国文学者に聞いてみた!

2022年 01月01日
Saturday 20:00
登場人物は全員闇系!?江戸時代には早すぎたBL「男色大鑑」について国文学者に聞いてみた!

江戸時代のBL作品として有名な、井原西鶴著「男色大鑑(なんしょくおおかがみ)」。

 

本作の中でも魅力的なヒロインが登場する「傘持ってもぬるる身」について、神戸学院大学人文学部の中村健史准教授にお話を伺いました!

 

昔のBLだからといって侮るなかれ!

 

現代のBLとの比較や見どころなど、先生にかなりわかりやすく解説していただいたので、BL好きは必見です!

 

想像以上に“激しい愛”が見られますよ…!

 

Point

  • 激動の人生を送る江戸時代のBL
  • そもそも江戸時代のBLってどんな感じ?

  • ヒロインの小輪(こりん)が魅力的すぎ


 

 

現代とは違う“江戸BL”を中村准教授が解説!

読み手は男性!?

中村准教授:「男色大鑑」の著者・井原西鶴は、もともと男性向けの恋愛話(好色物)の書き手でした。

当然、読者の多くは男性で、「男色大鑑」も本来は男性読者を想定して書いたものだと思います。

江戸時代の社会は同性愛に対して寛容でしたから、男性読者でも美少年たちの恋に感情移入しやすかったのです。

一方、現代では、BL作品のメインターゲットは女性だと思いますが、女性読者がBL小説のなかの男性同士の恋愛に感情移入するというのは、本来そう簡単なことではありません。

性別の違いを乗り越えなくてはならないし、BLのなかの同性愛に自分を重ねあわせるという複雑な「操作」が必要になります。

こういう面倒な読書が可能になったのは、やはり文明が成熟して、われわれ人間の趣味がより深みのあるものになったからでしょうね。

BLに限らず、恋愛や性の楽しみ方がどれほど多様であるかが、その社会の成熟度をあらわしています。

 

初手で超驚きなんですけど!?!?

 

今や男性が入りにくい神聖なる場所(?)となった書店のBLコーナーですが、江戸時代は男性読者がメインだったのか…想像すると面白いですね。

 

感覚としては、現代の女性が少女漫画を読む時も、ヒロインに感情移入して読むことが多いのと似たような感じなのでしょうか…。

 

青春のメモリー? 当時の同性愛=衆道(しゅうどう)事情

成人のイメージ

また、当時の同性愛(衆道)は「いずれ卒業するもの」という一過性の恋愛であり、何なら「1回は経験しておこうかな」「青春のメモリー」みたいなノリだったそう。

 

軽くないですか…!?!?

 

現代の方がよっぽど重いじゃないですか…と呟く筆者に頷く中村准教授でした。

 

中村准教授:江戸時代の同性愛(衆道・しゅうどう)には大きな特徴があります。

それは2人のあいだにかならず年齢差があること。

成人(念者・ねんじゃ)が少年(若衆・わかしゅう)を可愛がるというのが基本で、少年のほうが成人すると、肉体関係は卒業というのが一般的なパターンでした。

年の差があるので、念者は何かにつけて若衆を守り、支えるという関係になります。

若衆はそれに答えて、熱烈に念者を慕うわけです。

恋愛関係を卒業しても、親友として付きあいつづけるカップルも多かったみたいです。

若衆のほうに年齢制限(?)がありますから、真剣に付きあい続けたカップルは「次の彼氏を探す」ではなく、「恋人から親友に移行」ということになるのでしょうね。

 

激しく慕い合った2人がすんなり親友に移行できるのでしょうか…。

 

移行できている、ということが一種の「軽さ」であり、当時の一般的な価値観だったのかもしれませんね。

 

 

ショタコンが多かった!?

中村准教授:こうした年齢制限はフェチにも影響を与えています。

江戸時代の男性はちょんまげをするときに、頭の真ん中を剃っていますよね。

あれを月代(さかやき)というのですが、成人前だと月代の幅がうんと狭い上に、前髪を残して髪を剃っていました。

若衆はみんなこの髪型です。

そして念者はこの前髪にフェチを感じていました。

反対に月代は「成人」を連想させるので、狭ければ狭いほどいいし、できれば見たくない。

歌舞伎役者などは帽子(ぼうし)という布を月代にあてて、隠していたほどでした(今でも歌舞伎のカツラの一部にはこの風習が残っています)。

フェチというのは時代によって大きく変わるものなんです。

 

江戸時代の人も、年齢特有のフェチを感じてたんだなぁ…。

 

フェチを感じたのが月代(さかやき)というのが現代とは違う部分ですね。

 

 

江戸時代には早かった「男色大鑑」の魅力

BLの原点?「男色大鑑」は娯楽作品

中村准教授:「男色大鑑」は江戸時代の井原西鶴(1642-93)が書いた小説(短編集)です。

歴史の授業などで、西鶴の代表作として「好色一代男」や「好色五人女」といった名前を覚えた方も多いのではないでしょうか。

 

「男色大鑑」の場合、強調しておきたいのは、これが印刷された本であるということです。

室町時代まで、小説も含め、本は基本的に手書きで写していました。

江戸時代になると印刷技術が発展し、同じ内容の書物が何十冊、何百冊と刷られるようになります(小学校で作る版画みたいな方法で刷って、手作業で製本していました)。

当然、その分だけ本を読む人が増えることになります。

今までよりも多くの人が本を読むわけですから、作品の内容もだんだん「高尚な芸術」路線から、「下世話な娯楽」路線へと変化していきます。

古文で書かれているせいで、今のわたしたちが読むと難しいような気がしますが、「男色大鑑」は正真正銘の娯楽作品です。

 

印刷技術よ…発達してくれてありがとう!!!(感涙)

 

今のBLの原点を垣間見た気がしますね。

 

 

江戸時代も現代もオタクの心はいつも一つ

中村准教授:「男色大鑑」と現代のBLの最大の共通点は、「娯楽作品である」ということなのです。

BLは「1冊だけ読む」ということができないでしょう。

1冊読んだら、後を引くからもう1冊、2冊……と読みたくなる。

「似たような設定(ストーリー、キャラ)だから、これは読まなくていいや」ということは絶対なくて、むしろ「似たような設定だから、これも買っておこう。この設定大好き!」というのが普通ですよね。

娯楽としての小説は、次々読み飛ばして新刊を買い込んでいく(そしてBL貧乏になる)というのが、正しいあり方です。

 

先生、オタク心わかってるうう~~!!!

 

BL貧乏とかもう最高ですね……!!(?)

 

中村准教授:西鶴が書いたのはまさに「娯楽」のための商品なのです。

西鶴は10年少々の作家生活で20作以上の小説を執筆しています。

こんなに多作なのは、あきらかに本が売れるから。

そして売りあげの向こうには読者の需要があります。

当時の人々も面白い本を次々読みたくてたまらなかった。

筆の速い西鶴は一生懸命それに答えて、いろんな小説を提供するわけです。

これこそが娯楽作品というものでしょう。

娯楽である以上、「至高の芸術作品を1つ書いたから、それを繰りかえし読め」というわけにはいかないのです。

BLファンだって「「ヴェニスに死す」という傑作があるんだから、それで我慢しろ」では納得しないでしょう

 

我慢しきれなかったら己から生み出すまで…!!

…ハッ!!…同人界隈でもよく見る行動だ…!

 

こうやって現代BLの歴史が深まっていったのか…!

 

 

「男色大鑑」と現代BLの相違点

中村准教授:ですが、「男色大鑑」と現代のBLには決定的な違いもあります。

BLはすでに1つのジャンルを形成していますよね。

」というべきなのか、「」というべきなのかは分からないけれど、男性同士の恋愛をBLの様式で書いた作品がたくさんある。

一方、「男色大鑑」は「好色物」というジャンルの中の1作品だと考えられていました。

「好色物」というのは男女の恋愛を扱った娯楽小説のようなものです。

その亜種というか、変わり種として「男色大鑑」があるわけです。

 

森超えて沼!!!!!!!

そうなんです…森をかき分けていくと…そこには…大きな沼があったんですよ……。

 

 

江戸時代には早すぎた…?

中村准教授:江戸時代の人たちは男性の同性愛に対して寛容だったとよく言われます。

たしかにそれは事実なのですが、決してBLの「森」を生みだすことはなかった。

男性の同性愛を描いた小説には、あまり読者の需要がなかったのでしょう。

 

1作、2作ならともかく、「男色大鑑」みたいなものをとにかくたくさん読みたいという人は少なくて、「森」になるほど書かれなかった。

小説の好みが現代よりも狭く、未熟だったのだろうと思います。

 

同性愛に寛容でありながらも、「森」は生み出されなかった“江戸BL”。

 

それほどまでに、同性愛(衆道)が身近な存在であり、当時の人々にとって珍しさや興味をそそる内容ではなかったのかもしれませんね。

 

 

中村准教授:BLというのは、BL作品が面白いというだけでなくて、BLが好きな人同士のつながりがあって、お互いに共感できるのが魅力のひとつです。

「BLとはこんなものだ」という価値観が共有されて、それがBLを書く人にも影響を与える。

読む人と読む人のあいだに、あるいは読む人と書く人のあいだに「空気」が共有されているのがBLのいいところではないでしょうか。

でも、こういうオタク女子の連帯感みたいなものは、残念ながら江戸時代にはなかった。

その結果、「男色大鑑」は「少し変わったラブストーリー」として読まれ、「男同士の恋愛(だけ)が尊い」という熱量を生み出せなかった。

これが現代のBLとの最大の違いです。

江戸時代には早すぎた小説だったのかもしれません。

 

現代にて無数に生み出されたBL本の数々。

 

それは価値観だけでなく、カップリングや設定など“面白さ”の共有が行われてきたからこそ「森」となり「沼」へと進化を遂げたようです。

 

江戸時代でも多少は(仲間内などで)意見交換があったかもしれませんが、現代のSNSのように誰もがレビューを見られる制度なんてものはありませんしね。

 

あぁ…江戸時代に行って、話してみたい…!

 

登場人物は全員闇系!?「男色大鑑」より「傘持ってぬるる身」をご紹介!

時代背景と、「男色大鑑」についてをご紹介してきましたが、一体どんなお話が描かれているのか気になりますよね?

ここでは、収録作品の中でも受けちゃんが魅力的な「傘持ってぬるる身」を簡単にご紹介します(本作のネタバレが含まれていますのでご注意ください)。

 

 

登場人物

・長坂小輪(ながさか こりん):父を亡くし、母と暮らす美少年。13歳。(健気系受け

・殿:明石藩の藩主(名前は不明)。小輪の念者となる。(ダメ男攻め

・神尾惣八郎(かんお そうはちろう):小輪に一目惚れし、小輪に文を送る。21歳。

 

 

あらすじ

美少年・小輪が明石藩の武士によって明石藩藩主(殿)に紹介され、殿が小輪のことを大層気に入り、小輪を自分の若衆にして関係を結ぶことになりました。

とある夜、「小輪の為になら命も捧げる」と言った殿に対し、小輪は「権力者の言いなりになるのは衆道の形ではない」「本当に私の事を好きになってくれる人と衆道関係を結びたい」と大胆発言!

さらに「今お伝えしたことは神に誓って嘘はない」とまで言い、ハッキリと殿に反抗します。

(殿とはビジネスで、ちゃんと好きになった人と衆道関係になりますから。…みたいな!?小輪ちゃん恐ろしい子…!)

 

そんな中、小輪は自分に一目惚れしたという男・神尾惣八郎と出逢い、恋愛関係になります。

(殿がいるのにーーー!)

 

また別の夜、妖怪・一つ目入道(実は狸が化けていた)が現れる大騒ぎが起こります。

その後、大きな狸の首が転がり込み事態は収拾するものの、誰が狸の首を取ったのかわからず真相は闇に埋もれてしまいました。

しかし、しかし後になって、狸の首を取ったのが小輪であることが明らかになります。

(小輪ちゃん、自分の手柄を黙り続けるのは奥ゆかしいのか、頑固なのか…。)

 

そしていつもの様に小輪と夜を過ごそうとした殿でしたが、小輪が腹痛を訴え「今晩は休ませて欲しい」と伝えます。

承諾した殿が1人眠りについた頃、隣の小輪の部屋にはなんと惣八郎の姿が…!!

「来世までも愛してる」と愛の契りを殿の隣で交わした2人でしたが、殿がついに目覚めます。

(そりゃ起きるし小輪&惣八郎さん大胆すぎるでしょ!!)

 

隠密が逃げる惣八郎の後姿を見て殿に報告し、小輪に誰なのかと尋ねるも、「あのお方は私に命を捧げてくれたお方です。何があっても白状しません」と小輪は惣八郎の名前を出すことはありませんでした。

 

次の日の朝、殿は小輪への憎しみから、武術の訓練にかこつけて公開の場で小輪の片腕を切り落とします。

さらに両腕を切り落とされてもなお謝らず、惣八郎への忠誠を誓う小輪。

最後には首を切り落され、殿自らの手で小輪は殺されてしまいます。

小輪の亡骸は、兵庫県明石市の朝顔寺に葬られました。

その後、惣八郎は、小輪との密会を殿に報告した隠密の首を取り、朝顔寺にある小輪の墓の前で後を追う様に切腹。

惣八郎の腹部は小輪の家紋の形に斬られており、これを見た人々は「恋をするならこの2人のようにありたい」と感動し、朝顔寺の池は手向けの樒で一杯になったのでした。

 

 

中村准教授が「傘持ってもぬるる身」の見どころを解説!

① 「激しい情熱」=男同士の恋愛が激しく書かれているところ

中村准教授:まず、「愛」の激しさが現代人とまったく違うのにびっくりしますよね。

BLに限らず、現代の恋愛ものでは「好意を寄せてくれて嬉しいけど、ゴメンナサイ」みたいな設定がよくありますが、そんな中途半端な感情は「男色大鑑」には出てこない。

「(相手が)それほどまでに私を好いてくれるなら…!」と一気に恋に落ち、恋愛関係が生まれてしまいます。

さらに自分の体を傷つける(惣八郎の切腹など)ことで愛を示すなど“激しすぎる愛情表現”も見どころの一つ。

体を傷つけて愛を示すのは男女のあいだでもよくあったことで、そういうのが当時の理想の恋だったんですね。

 

しかし、江戸時代の実際の恋愛が「男色大鑑」のように激しかったか、というと…「こんなことが度々あっては人口がすぐに減っちゃうでしょう(笑)」と語る中村准教授でした(確かに)。

 

また、「傘もってぬるる身」のなかでも、惣八郎が小輪の後を追って切腹する衝撃のラストシーンについて…

中村准教授:惣八郎も…これは最後死ぬしかないでしょう…こんなにお互い一途で全てを投げ出してるのに、小輪が死んだから次の恋人探そう!とはならないでしょう…。

そんな結末、たとえ天が許したとしても、読者が許さない(笑)。

命が最大のプレゼント…みたいな、激しさのあった時代ということですね。

 

アッツアツで火傷しそうだぜッ…!!!

 

惣八郎の切腹は物語のセオリー的にも、また最後に手向けの樒で一杯になっているのも、美談感強いですしね…!

 

 

② 義理(今でいう責任)が絡むところ

社会の中で生きる上での責任が今より重く、決して背けないものだった江戸時代。

本作では、“小輪の役目=殿と男色の関係になること”であり、小輪は本来殿に背いてはいけません。

 

しかし、小輪は惣八郎と恋愛関係になり、殿に背いて愛を示した…!

義理(本来の自分の役目)に反抗しても、「愛は何物にも打ち勝つ!愛は永遠なんだ」といった“自分にとっての義理”があるからこその愛の示し方も見どころの一つですよね。

 

中村准教授:現代の恋愛小説でも、「世間のしがらみから逃れて2人の世界を…」といったストーリーは少なくありません。

相思相愛の恋愛って意外と退屈になってしまうので、何かしら恋の障害があらわれて、登場人物の葛藤が描かれるんです。

むしろそこが最大の見せ場だったりしますよね。

 

結ばれるとわかってても見てしまう…!確かに現代は葛藤が一番の見せ場かも。

 

中村准教授:でも、小輪は葛藤も逡巡もしないでしょう(笑)。

瞬時に「殿よりも、命よりも、惣八郎が大切」と心を決めてしまう。

そして迷わない。

小輪にとって男同士の契りは社会のしがらみよりも尊く大切なものだった、ということなんです。

本作の中ではもう「恋は狂気」の域に達していますよね。

飼いならせないほど暴力的な熱量の恋というか…。

見どころ①と②の要素が合わさったことによって、登場人物が全員「闇系」っぽく見えてしまうのがとっても素敵。

 

てぇてぇ………!!

 

義理があるからこそのストーリー…萌える……(闇系は笑っちゃいましたよ先生…)(最高)。

 

 

③ 井原西鶴の小説作りのうまさ

中村准教授:西鶴の小説家としてのうまさも魅力の1つです。

たとえば、小説のなかで直接的に「小輪はやべぇ奴です!」書いたりしない。

物語の運び方でキャラ像を自然にわからせるように、細かくエピソードを作っています。

狸のエピソードなんか一見まったく関係のない話に聞こえますが、小輪がただの美少年ではない、と読者に自然と伝わるようになっていますよね。

このエピソードは、小輪が腕を斬られても惣八郎の名前を絶対に言わない頑固さや、意固地さの伏線にもなっているんですよ。

 

確かに、殿にハッキリ言うところから狸のエピソード、さらに殿がいながらも惣八郎と恋愛関係になる流れで小輪ちゃんのキャラ像が固まっていますね。西鶴恐るべし!

 

また、「傘持ってぬるる身」の話はぱっと見舞台を明石にする必要は無いように思えるのですが、最後の“朝顔寺”で必然性が見えてきます。

小輪が埋葬された明石市の朝顔寺について、西鶴は「この寺で光源氏が女に歌を贈ったことで有名だが、相手が女なのが残念である。男に贈った歌ならずっと忘れられないのに」と書いています。

明石市は源氏物語の舞台として有名ですから、物語全体が「男性同士の愛は、源氏物語を超えるようなラブストーリーを生み出す」というメッセージになっているのではないでしょうか。

 

源氏物語に登場する「明石の君(明石の御方)」というお話を読むと、「傘持ってぬるる身」がより一層楽しめるかと思います…!

 

興味がある方はぜひチェックしてみてくださいね。

 

 

“江戸BL”にレッツトライ!読みやすい「男色大鑑」をご紹介!

最後に、中村准教授オススメの読みやすい「男色大鑑」をご紹介します!

 

現代のBL作品に負けず、むしろそれ以上の波乱万丈っぷりが楽しめる“江戸BL”。

 

当時の読者たちはどんな感想を抱いたんだろう…なんて思いを馳せながら読んでみるのも楽しいかもしれませんね。

 

本作は武士社会を描いた前編歌舞伎役者を描いた後編に分かれており、今回紹介した「傘持ってもぬるる身」は激しいストーリー展開が楽しめる前編に収録されています(コミック版では「無惨編」に収録されています)。

 

また後編は、歌舞伎役者との恋愛などしっとりとしたお話が楽しめますので、好きな作風を見つけてみてはどうでしょうか。

 

 

現代語訳版「男色大鑑」

全訳 男色大鑑〈武士編〉

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価格:1,980円(税込)

 

発売日:2018年12月

※「傘持ってもぬるる身」は上記の「武士編」に収録されています。

全訳 男色大鑑〈歌舞伎若衆編〉

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価格:1,980円(税込)

 

発売日:2019年10月

コミック版「男色大鑑」

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発売日:2016年05月

男色大鑑-歌舞伎若衆編-【Amazon.co.jp限定描き下ろし特典付】 (B’s-LOVEY COMICS)

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発売日:2016年06月

男色大鑑-無惨編- (B’s-LOVEY COMICS)

男色大鑑-無惨編- (B

価格:806円(税込)

 

発売日:2016年09月

※「傘持ってもぬるる身」は上記の「無惨編」に収録されています。

おまけ「ヴェニスに死す」

ヴェネツィアの町で美少年に心惹かれる老作家を描いた傑作。

ドイツの小説ですが、萩尾望都など少女漫画に影響を与えたことでも有名です。

 

ヴェネツィアに死す (光文社古典新訳文庫)

ヴェネツィアに死す (光文社古典新訳文庫)_0

価格:704円(税込)

 

発売日:2007年03月

 

中村健史准教授 プロフィール

神戸学院大学人文学部 中村健史准教授

神戸学院大学人文学部准教授

1980年、高知県生まれ。

 

専門は国文学、特に鎌倉・室町時代の和歌。

著書に「雪を聴く」(和泉書院、2021年)など。

大学の「地域研究センター」では明石に関する文学作品についても研究。

 

授業で大学周辺(明石)を舞台にした文学作品として「男色大鑑」を紹介したところ、別方向から興味を持った(元)教え子から「にじめん」の取材を受け、ちょっと困惑気味。


 

外部リンク

神戸学院大学人文学部オリジナルサイト

神戸学院大学地域研究センターサイト